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一杯のミルクティーに救われた話。

旅の最中にもBad dayはあるのです。

というお話。 スリランカな記録〜その2〜 それは、スリランカ旅3日目の話。 シーギリアのホームステイ先で朝、目を覚まし、トイレに行くと、水が出ない。 おかしいな、とシャワーをひねると、おそらくタンクに残っていた分のお水が出て、そのままちょろちょろと細くなり、出なくった。 なので、トイレもタンクに水がたまらないので、流れなくなった。 おっと、と思うと、まさかの停電。 朝だからまあ、あまり問題はないのだけど。 Wi-Fiが切れる。 外に出てみると、ちょうどわたしの部屋のすぐ前に蛇口があった。女神! ひねってみると、でたーーー! 水でたーーー! うぉーたー! ヘレン・ケラーになった気分で叫ぶ。 まずは、洗面器に水を入れ、トイレの蓋を開けて、タンクに水を入れる。これを5.6回繰り返し、お水をくんでは、運び、トイレのタンクにじゃばじゃば入れる。 こんなとき、NY生活が役に立つ。 よくNYのアパートでも、トイレが壊れて、蓋を開けて自力で手を突っ込んだりしながら、直したもの。意外と構造はシンプルなので、簡単に直せたりする。 水が6分目くらいまで入ったところで、流してみる。 流れた! トイレの水は汚れているが、ひとまず流れてよかったー。ふー。 そして、タオルを首に下げ、外に顔を洗いにいく。 夜中は雨が降っていたようだが、朝は晴れて気持ちよく、外で顔を洗うなんてキャンプきたみたいだなーと呑気に思ってシンクに顔を近づけると、白い蟻がうじゃうじゃ行進。 おっと、 毒とか害がなければいいなあ、と不安になりながら顔を洗って歯を磨く。 バックパックに荷物を詰めて、整理をして、出られる準備をしておく。 朝ごはんをいただいているときに、ホストのパパに宿泊費の話をされ、予約していた当初の値段より少し高い金額を言われ、ん?おかしいな、とおもい、ちがうよー!と訂正する。 Okay, okayといいながら、 2 breakfast 1 dinnerだから、と内訳も言わずに、ちょいとお高めなお値段を再び、計算してきたよ〜〜!と。 朝ごはんのパンをかじりながら、わたしはパパを見つめ、あれ、さっき訂正した金額で?と思いながらも、パパはそこから動かず、あ、今払えってことね、とかじっていたパンを置き、お支払いをする。 Are you happy?? と伺うように見てくるパパに、わたしは苦笑いをしてしまった。 強く聞けなかったこと、高すぎると交渉できなかったこと、食べてる時に急かされたこと、昨日の夜からずっと気にかけてお世話してくれて、バイクで送ってくれたり、庭を案内してくれたり、友達のドライバーをアレンジしてくれたり、いろんな話をして、ご飯食べてる時も一緒に座ってわたしが一人で食べてるのを見ててくれたパパに、まんまとハメられた、とわずかでも思ってしまった自分がなんか嫌になった。 実際、そんな言うほど高いわけではなく、ただ、その前の日に泊まっていたゲストハウスが異様に安かったので、それに比べてしまうと、あれ?と思ってしまったのだ。 本当にいい人でステキなパパだったのに、 と、勝手に落胆して悲しくなっていた。 そして、バスがきてるから早くいけいけ、と、もちろんわたしのためを思ってしてくれたのだろうけど、ちゃんと挨拶も出来ずに、駆け込むようにバスに乗ったのだ。 バスに乗る前に、振り返ると、お家の中に入っていく後ろ姿しか見えなかった。 なんだかなあー。 とバスのなかで、うーん、と煮え切らないおもいとさみしさを、手のひらでころころと転がす。 と、そんな風に1日が始まってしまい、 ほどなくその日はBad dayとなりそうな予感がして、そうなると、いいことよりそうじゃないことの方が目についてしまう。 いいこともあるのに、たくさん。 シギリアからダンブッラ ダンブッラからキャンディ と、この日の午前中は移動日で、二本のバスに揺られる。 そしてその日そのバスのなかから、二度の交通事故に遭遇し、粉々に割れたバイクをみてしまう。 Oh, no... ちなみに、スリランカ人は野次馬体質。 みんな身を乗り出して、必死で見ようとする。笑 スリランカの交通事情は東南アジアあるあるで、それはもうルールなんてあるようでない。 よくムチウチにならないものだなあ、と感心するくらい。 ものすごい急ブレーキで、ぐわんぐわんと揺さぶられつづけ、舗装されていない山道では、がたんごとんの騒ぎではない。 さらに、スリランカのバスは、日本の満員電車以上で、幸いわたしはずっと座れてたのだけど、人は押し合いながら、その激しく上下左右に揺れ乱れるバスに乗っているのだ。 ちなみに、バスの運賃は、お兄さんが人をかき分けて、移動しながら徴収しに行く。 アナログ! そして、むちゃ激安!5時間以上の長距離でも170円くらい。 絶対通れないでしょ、というところも人を踏み倒す勢いでちゃんと徴収しに後部座席まで。 アグレッシブ万歳!笑笑 それでも、現地の人たちはジーパンの後ろポッケにお財布を普通に入れてたりするので、治安はとてもとてもよい。 クーラーのない、人口密度MAXのバスのなかで、渋滞で止まってしまうと、それはそれは、、、地獄なのだ!笑 さらには、雨が降ったりやんだりしてて、窓を閉めたり開けたりで風も入らず、湿気と熱気でムンムンしてきて、こりゃ眩暈もの。 あちゃー。 やっとこさ、キャンディに着き、ちょっと都会に来たことにより、人の雰囲気がやはり違うことに、移動の疲れもあってか、少しイライラしてしまう。笑笑 どこでも田舎の方が人は穏やかである。 重たいバックパックをドラム缶のカプセルホテルに置いて、キャンディの街散策へ。 後ほど、傘を持って行くのを忘れたことが、その日の失態に。 雨が夕方からどしゃどしゃと。 そんなこんなでプリプリしながら、キャンディの街を歩く。 いい人もいっぱいいるのに、こーゆーときはなぜだか、、、 ずっと話しかけつづけて、後をついてくる、ガイドしたいんだか、ナンパなんだかの、にーちゃんが、巻いても巻いても、ついてくる。 終いにはキレ気味で追い払う。 仏歯寺や湖を歩き、夜のキャンディアンダンスへと向かう。 ホールの目の前に、屋台のような小屋が。 湯気が見える。 小さな椅子に4人くらいが座り、外の屋根の下で、何人かが立って何かを飲んでいる。 雨で、寒く、傘を持っていなかったわたしは、若干濡れて冷えていた。 What are you drinking? 気づくと、わたしはヨーロッパ人っぽいお兄さんに聞いていた。 Milk tea, hot milk tea! とお兄さんは嬉々として答えてくれた。 屋台のお母さんに、ミルクティーを注文する。 本当に笑顔の素敵な、柔らかい声のお母さんに、まずわたしはじーん、としてしまった。 そして、出てきたミルクティーは、ガラスのコップに注がれて、じんわりと湯気を立てて、甘くやさしい匂いがした。 あったかいそのミルクティーが、わたしの喉を通り、胸いっぱいに広がる。 今、わたしが必要としてたのは、これだった。 このやさしさ。

このあったかさ。

ほんのりとあまい、とろりとしたコク。

自然と涙が溢れた。 お母さんのやさしい声がして、お釣りを返してくれる。あんな柔らかい声で喋る上品なお母さん、なかなかいない。 もやもやしていた心の渦がすっかりあっためられて、流れていくのを感じた。

一日中煮え切らずにプリプリしてたわたし、何やってんだか、と、このミルクティーに気づかされる。 このミルクティーの味を、わたしは一生忘れないだろう。 お母さんのやさしくあまいミルクティー。 さてさて、そのあとは、キャンディアンダンスを見て、隣り合ったニュージーランドの夫婦としゃべり、雨の中も勇敢にがしがし歩き回って、スーパーでまたまたやさしいお母さんに出会って、フルーツを選んでもらったりして、わたしのカプセルに入る。 その日はやっぱりそういう日らしく、そのドミトリーのロビーで欧米人がパーティーをしていて、どんちゃん騒ぎ。 その酔っ払った彼らに、夜中、わたしのカプセルを突撃されて、起こされる。 思わず叫びたくなったー! F**K YOU!!! 笑笑 裏切らない形で、その日1日を締め切ってくれました!笑 ちゃんちゃん。 てなわけで、 旅って面白いものです。 何が起きても面白い。 もちろんいい日もそうでない日もあるってことです。 それでいいのです。 人は何かに救われながら、生きてるんだなあ、と改めて体感した1日でした。 Everything has a meaning. Bad day makes us notice life is beautiful. Try to find the pieces of joy in every moment. love, xoxo risako

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